他の生徒たちも続々と戻ってきた。日が西に傾き、ようやく夕闇が迫りつつある頃、遅れていたバスがやって来た。出発して向かった先は、何と桂浜だった。僕らは明るいうちに、坂本龍馬の像が立つ海岸を訪れたかったのだが、暗くなってから向かうことになるとは。 闘犬センターを見学するということだった。まず、横綱の土佐闘犬が出てきたので、皆は写真に収めた。これが闘うのかと思ったら、土俵に上がってきたのは、若い闘犬二頭だった。凄まじかった。一度首にかぶりつくと、なかなか放そうとしない。しかも、噛..

 他の生徒たちも続々と戻ってきた。日が西に傾き、ようやく夕闇が迫りつつある頃、遅れていたバスがやって来た。出発して向かった先は、何と桂浜だった。僕らは明るいうちに、坂本龍馬の像が立つ海岸を訪れたかったのだが、暗くなってから向かうことになるとは。
 闘犬センターを見学するということだった。まず、横綱の土佐闘犬が出てきたので、皆は写真に収めた。これが闘うのかと思ったら、土俵に上がってきたのは、若い闘犬二頭だった。凄まじかった。一度首にかぶりつくと、なかなか放そうとしない。しかも、噛まれた方も忍耐強い。ひるむことなく、歯を食いしばっていた。結局、引き分けで終わってしまったが。
 桂浜で見たのはそれだけだった。暗い中をバスで移動し、七時半に夕食を取ったのだが、見栄えだけで味がよくなかった。修学旅行もこれで終わると思って、気分がよくなかったからか。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
https://podcasts.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en


Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38


にほんブログ村


人気ブログランキングへ





ランキングはこちらをクリック!

amzn_assoc_ad_type ="responsive_search_widget"; amzn_assoc_tracking_id ="faucon-22"; amzn_assoc_marketplace ="amazon"; amzn_assoc_region ="JP"; amzn_assoc_placement =""; amzn_assoc_search_type = "search_widget";amzn_assoc_width ="auto"; amzn_assoc_height ="auto"; amzn_assoc_default_search_category =""; amzn_assoc_default_search_key ="";amzn_assoc_theme ="light"; amzn_assoc_bg_color ="FFFFFF";
Twitter、facebookでの拡散、よろしくお願い致します!

Twitter Mentions