死者の記憶を持つ子供たち（１）

　死者の記憶を持って生まれる子供が、一定数いるといわれる。そのすべてがやらせでない限り、肉体の死後も魂が存在し続けるというのは事実であるらしい。人間は親の遺伝子を受け継いで生まれてくるが、それとは別に、魂は前世では全く無縁であった家を選んで生まれるというのだろう。
　夭折したり事故死したりして、若くして人生を断ち切られた場合、人生をやり直したいという意識が強く働くため、生まれ変わっても前世の記憶を持つらしい。ビルから転落死した人物が転生した場合、生まれ変わってからも、前世で転落死した際に強打した側の耳が、先天的に聞こえないのだという。前世で銃弾を受けた箇所が、生まれながらの痣になっている場合もある。
　前世で先住民を虐殺した罪悪感で、幼児の頃から悪夢にうなされる例も報告されている。前世で飛行機事故で即死した女性が、生まれ代わっても、その記憶を持ち続け、飛行機に乗ることを怖がり続けた話も紹介されている。（つづく）

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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