友人とともに、八月上旬に昇仙峡を再訪することになった。十時半前に甲府駅に着いたのだが、三十度を超える暑さに、観光案内所に逃げ込んで涼んだ。十一時の昇仙峡滝上行きのバスに乗り込んだ。 十一時四十分、昇仙峡入口で下車した。昨年秋に来たばかりだと思っていたが、渓流に沿って、激しく流れ落ちる水音を聞き、木漏れ日の下を歩むにつれ、心が癒されていくのを感じた。水しぶきを上げる早瀬から、冷涼な風が上がってきて、マイナスイオンに包まれていく。以前来たときより、荒川の水量は多く、崖から染み出..

 友人とともに、八月上旬に昇仙峡を再訪することになった。十時半前に甲府駅に着いたのだが、三十度を超える暑さに、観光案内所に逃げ込んで涼んだ。十一時の昇仙峡滝上行きのバスに乗り込んだ。
 十一時四十分、昇仙峡入口で下車した。昨年秋に来たばかりだと思っていたが、渓流に沿って、激しく流れ落ちる水音を聞き、木漏れ日の下を歩むにつれ、心が癒されていくのを感じた。水しぶきを上げる早瀬から、冷涼な風が上がってきて、マイナスイオンに包まれていく。以前来たときより、荒川の水量は多く、崖から染み出した湧き水が、路面に流れ落ちてくる。梅雨が明けても、湧き出す水は勢いの衰えることを知らない。
 前回は奇岩の一つ一つを確かめ、一々写真に収めたのだが、今回はとりわけ目を引く光景に目をやるにとどめた。渓流の逆巻く水流に心を奪われ、目で見て体で感じることを楽んだ。石門をくぐり、仙娥滝の前にたたずむ。平日のこともあり、道行く人影も乏しく、轟き落ちる瀑布にしばし時を忘れた。激しく響き渡る水音の凄まじさに、心を洗われていた。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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