船に乗っていたのは、十五分ほどだった。あまりに衝撃的な体験だったので、実際にはもっと長い時間が経っていたような。行きと同じように、マイクロバスに乗り、荷物を預けたおばさんの店に戻った。 少林寺拳法の青年は高松に出ると話していた。とりあえず、彼と一緒に徳島駅行きのバスに乗った。彼は小鳴門橋のバス停で乗り換えた。短い間だったが、一人旅では名も知らぬ人との出会いと別れが、いつまでも心に残るのだ。 風は次第に強まってきた。やがて叩きつけるような雨が降り出した。吉野川の橋を渡るとき、..

 船に乗っていたのは、十五分ほどだった。あまりに衝撃的な体験だったので、実際にはもっと長い時間が経っていたような。行きと同じように、マイクロバスに乗り、荷物を預けたおばさんの店に戻った。
 少林寺拳法の青年は高松に出ると話していた。とりあえず、彼と一緒に徳島駅行きのバスに乗った。彼は小鳴門橋のバス停で乗り換えた。短い間だったが、一人旅では名も知らぬ人との出会いと別れが、いつまでも心に残るのだ。
 風は次第に強まってきた。やがて叩きつけるような雨が降り出した。吉野川の橋を渡るとき、川幅の広さに驚きながらも、豪雨で煙ってよく見えなかった。徳島駅に着くと、あわてて駅ビルに飛び込んだ。一部の列車に遅れが出ていた。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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