iPod touchが製造中止に

　音楽プレーヤーとして登場したiPodは、ＣＤからリッピングした音楽を持ち出す習慣を、世界中の若者にもたらした。僕が最初に使ったのは、iPod nanoだった。数年後、iPhoneにも関心を持ったわけだが、毎月の携帯料金のことを思うと、iPhoneから電話機能を除いたiPod touchが魅力的に思えた。
　iPod touchを手に入れたことで、iPhoneのアプリが使えるようになった。音楽を聴いたり、電子書籍を読んだり、辞書を引いたり、ゲームをしたりした。音楽に関しては、ハイレゾに対応していないことから、ウォークマンで聴くようになったが、それ以外の機能については満足していた。
　ところが、５月になってAppleは、iPod touchの製造中止を発表した。iPhoneの普及によって、iPod touchの利用者が減少したこと、本体に保存した音楽を聴くスタイルから、音楽を受信しながら聴くスタイルに変わってきたところが大きい。そのためには、Wi-Fiしか使えないiPod touchでは都合が悪い。
　ただ、僕のように、iPhoneのアプリは使いたいが、毎月数千円の携帯料金を払いたくないユーザーは、窮地に立たされることになった。すでに、iPod touchの新品は、入手が難しくなってきているらしい。バッテリーが駄目になったとき、どうすればいいのだろうか。
　iOSのアプリを使い続けたければ、iPhoneを買うか、iPad miniに切り替えるしかない。携帯性を優先するならiPhone、高い携帯料金を払いたくなければ、iPad miniだ。iPad miniなら電子書籍が見やすいし、ゲームもやりやすい。それに、オンライン授業では、Google Classのアプリを利用すれば、課題の添削も容易である。決めるのはまだ先だが、iPad miniに軍配が上がりそうだ。

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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