Edifier S1000Wというスピーカー（２）

Previous Episode: Edifier S1000Wというスピーカー

　実は、普段使っているパソコンのほかに、テンキーが壊れてしまったWindows10を持っている。音楽を聴くたびにパソコンを移動するのも面倒なので、倉庫代わりにしているもう一台を、Edifier S1000Wに接続してみることにした。ただ、このバソコン、性能がいまひとつで、メモリも４ギガしか入っていない。Audirvanaを動かすのはきついだろう。そちらにはJRiver Media Centerの古いバージョンが入っている。滑らかに動くし、細かいカスタマイズも利くので、コルグのDS-DAC-100を経由して、音楽を再生してみることにした。
　ＣＤ音質の曲を44.1KHzから176.5KHzにアップサンプリングすると、ハイレゾ化されたおかげで、素晴らしい音色が聞こえてきた。色気があるというか、艶っぽいというか。サックスは堂々と響き渡り、ピアノは繊細でくっきりとした音、ベースは体が痺れるほどの重厚な音。もちろん、本物のハイレゾを再生したら、ぶっ飛ぶようなすごい音がした。
　ただし、JRiver Media Center23では、flacの再生はすばらしいのだが、DSDのファイルはPCMに変換してしまい、たちまち冴えない音になってしまう。DS-DAC-100はコルグのソフト、AudioGateを使用すれば、DSDも変換せずに再生できるのだが、ライブラリの機能が貧弱なので、現在は使っていない。
　なお、JRiver Media CenterもDS-DAC-100もMQAはデコードできないから、ハイレゾ部分が展開されずに再生される。MQAは人間の耳に聞こえない音を削除して、その部分にハイレゾの音を詰め込んでいる。デコードしないで聴くと、人間の耳にはよく聞こえなくても、体では感じる音が聞こえてこない。Edifier S1000Wのような重低音が出るスピーカーだと、ハイレゾの部分をデコードしないMQAの音が、いかにしょぼいかがよく分かった。
　もう一つ大きな問題があった。Amazon MusicはDS-DAC-100と相性が悪いということだ。再生しようとすると、Amazon Musicが排他モードにならないのだ。これでは聴いていられない。幸い、この古いパソコンは、192KHzまでのハイレゾは再生できる。したがって、パソコンに保存された曲は、JRiver Media Center23とDS-DAC-100で、Amazon Musicはパソコン内蔵のオンボードサウンド機能でというふうに、使い分けなければならないことが分かった。
　今述べた問題は古いパソコンをEdifier S1000Wに接続したときに生じる問題であり、普段使っているパソコンで、ifiのDACとAudirvana、Amazon Musicを使用する際には生じない。

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