NHKの朝ドラ「らんまん」の主人公槇野万太郞は、植物学者の牧野富太郎がモデルである。植物学の教授田邊は矢田部良吉がモデルである。ドラマではムジナモの日本での発見を論文にまとめながら、田邊との共同研究にしなかったことが、田邊の怒りに触れて出入りを禁止されたことになっている。そこには、田邊の万太郎への嫉妬と、言いなりにならなかったことへの恨みがあるようだ。 ただ、疑問に思うことは、学術論文を発表する場合は、原稿の段階で必ず他の研究者の査読が入るということだ。論文を採用するか不採..

 NHKの朝ドラ「らんまん」の主人公槇野万太郞は、植物学者の牧野富太郎がモデルである。植物学の教授田邊は矢田部良吉がモデルである。ドラマではムジナモの日本での発見を論文にまとめながら、田邊との共同研究にしなかったことが、田邊の怒りに触れて出入りを禁止されたことになっている。そこには、田邊の万太郎への嫉妬と、言いなりにならなかったことへの恨みがあるようだ。
 ただ、疑問に思うことは、学術論文を発表する場合は、原稿の段階で必ず他の研究者の査読が入るということだ。論文を採用するか不採用にするか、書き直しを命じるかどうか。ところが、ドラマでは論文が印刷された段階で、田邊教授との共同研究になっていないことが発覚している。当時の東京大学では、論文の査読もせずに、学術雑誌を発行していたという設定になっている。いくら何でも、それはなかっただろう。
 出入りが禁じられたのは、牧野が東大の研究書を大量に借り出して、他の研究者の苦情が出ていたこと、東京大学でも、牧野が発行していた『日本植物志図篇』と同様の本を発行することになったため、大学の書物や標本を見せるわけにはいかないと、矢田部が判断したためだという。学術研究で競い合ったことが、出入り禁止の主な原因だったというのだ。矢田部が牧野に嫉妬したり、恨みを抱いたりしたというのは、ドラマとしては分かりやすいのだが。
 その後、矢田部は東京大学を停職となる。学長の菊池大麓との確執があったからだとされる。大麓の弟は動物学者箕作佳吉で、ドラマでは美作秀吉として登場する。菊池大麓は牧野富太郎を評価していたというから、牧野を研究室出入り禁止にしたことが、矢田部の停職と因果関係にあるかが興味深い。


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