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東京湾アクアラインが出来る前(7)
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
Japanese - June 12, 2020 16:58Books Arts Society & Culture 日本文学 コンピューター ジャズ 電子本 電子書籍 文学賞 青空文庫 epub pdf 高野敦志 Homepage Download Apple Podcasts Google Podcasts Overcast Castro Pocket Casts RSS feed
ようやく僕は心安まる時を得た。右方には屋根のついた展望台が見える。両親と妹が昼食を取ったというのは、あの辺りなのだろうか。かろうじて水没を免れた小島には、笹や灌木が密生していた。 成人してからというもの、僕は家族で旅することをいやがっていた。子供時代と決別したい。自分から避けてきたのに、仲間はずれにされたような気がして、どんな所か訪れたくなったのである。しかもこのとき、父の命が長くないことを実感していた。 午後四時過ぎにボート乗り場に戻った。救命具と櫓を返した後、岸辺近くか..
ようやく僕は心安まる時を得た。右方には屋根のついた展望台が見える。両親と妹が昼食を取ったというのは、あの辺りなのだろうか。かろうじて水没を免れた小島には、笹や灌木が密生していた。
成人してからというもの、僕は家族で旅することをいやがっていた。子供時代と決別したい。自分から避けてきたのに、仲間はずれにされたような気がして、どんな所か訪れたくなったのである。しかもこのとき、父の命が長くないことを実感していた。
午後四時過ぎにボート乗り場に戻った。救命具と櫓を返した後、岸辺近くから暮れゆく湖水を眺めていた。有給休暇を取って来ているのだが、平日の午後に岸辺にたたずむのは僕ぐらいだ。日が高いうちは、太陽と色づきはじめた山を見ていれば楽しかったが、日が傾くとともに、自分しかいないという思いが募ってきた。(つづく)
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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