昨年の暮れに母を老衰で亡くし、年明けに葬儀を済ませた。新型コロナウイルスのワクチンを一度も打たせず、感染することもなく、九十二歳まで生きて、火が消えるように静かに逝ったので、悔やむことは少ないが、親を亡くした心の傷は癒えることがない。気持ちを切り替えるために、近場に小旅行することにした。 山梨県は繰り返し訪れているので、今回は友人とサイクリングすることにした。降りたのは勝沼ぶどう郷駅である。空はすっかり晴れ上がっていた。時刻はまだ十一時過ぎ。以前来た時はブドウの収穫時期だっ..

 昨年の暮れに母を老衰で亡くし、年明けに葬儀を済ませた。新型コロナウイルスのワクチンを一度も打たせず、感染することもなく、九十二歳まで生きて、火が消えるように静かに逝ったので、悔やむことは少ないが、親を亡くした心の傷は癒えることがない。気持ちを切り替えるために、近場に小旅行することにした。
 山梨県は繰り返し訪れているので、今回は友人とサイクリングすることにした。降りたのは勝沼ぶどう郷駅である。空はすっかり晴れ上がっていた。時刻はまだ十一時過ぎ。以前来た時はブドウの収穫時期だったが、今回は真冬なので、ブドウは幹を残して、葉もツルも取り払われている。
 観光案内所で電動アシスト自転車を借りると、甲斐大和方向に戻る形で、坂道を下っていく。最初に目指したのは、甲斐の名刹大善寺である。自転車で走ってみても、かなり距離があったので、徒歩で行くのはきついだろう。真言宗の寺院で開基は行基、聖武天皇の祈願所だったという。ぶどう寺の異名を持つ。ブドウは薬として奈良時代に伝わったとされる。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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