和菓子屋を営む橘家の娘安子と、足袋や軍服の工場を営む雉真家の長男稔の恋物語が始まった。英語を学んでいこうという思いが、二人を強く結びつける。家柄の違いということもあったが、二人は結婚にこぎ着ける。ただし、稔には召集令状が来ていたから、ひとつき足らずの結婚生活だったが。 物語のスピードは速く、安子の祖父は病死、兄も戦地に行ったまま、祖母と母は空襲で亡くなる。生き残った父は廃人のようになったが、ようやく生きる意欲を取り戻したところで急死。このスピードは朝ドラでは異例で、映画でも..

 和菓子屋を営む橘家の娘安子と、足袋や軍服の工場を営む雉真家の長男稔の恋物語が始まった。英語を学んでいこうという思いが、二人を強く結びつける。家柄の違いということもあったが、二人は結婚にこぎ着ける。ただし、稔には召集令状が来ていたから、ひとつき足らずの結婚生活だったが。
 物語のスピードは速く、安子の祖父は病死、兄も戦地に行ったまま、祖母と母は空襲で亡くなる。生き残った父は廃人のようになったが、ようやく生きる意欲を取り戻したところで急死。このスピードは朝ドラでは異例で、映画でも見ているようである。
 実は、安子から娘、孫娘までの三代の物語を描くためだという。映画の場合、上映時間が限られるため、印象的な場面のみで構成される。あとは惜しげもなく捨て去られる。これは観客の心に強烈に訴えかける効果がある。
 ドラマが始まって程ないのに、安子の実家の人々は、戦地に赴いて行方知れずの兄を除いて、ことごとく世を去ってしまった。映画なら構わないわけだが、朝ドラの観客は何か割り切れない思いを抱いているようだ。
「本当に人がどんどん死んでくドラマね」
 これは僕の妹の感想だが、朝ドラの観客は映画とは異なるものを期待しているようである。朝ドラでは日常が事細かに描かれる。ゆったりした時の流れで、登場する人物と過ごす日々を味わう。ともすると、まだるっこしいほどに。映画のような強い印象ではなく、ともに生きる共感のようなものを求めて。「カムカムエヴリバディ」では、その期待が裏切られるのである。



「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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