以前、本山氏の『密教ヨーガ』を読んだことがあるが、この本は入門書的な内容である。超能力ブームにあやかった題名がついているが、本書の中で本山氏が警告しているように、チャクラの開発や超能力の獲得は、個人的な欲望に囚われている人間は、関わるべきではないということだ。体調が良くなったり、直観が優れたりするようになっても、目標は人格の向上であって、利他的な意識が伴わなければ、邪道に陥る恐れがあるからである。 ESPカードが載っているのは、超心理学でよく用いられる実験だからだが、こうい..

 以前、本山氏の『密教ヨーガ』を読んだことがあるが、この本は入門書的な内容である。超能力ブームにあやかった題名がついているが、本書の中で本山氏が警告しているように、チャクラの開発や超能力の獲得は、個人的な欲望に囚われている人間は、関わるべきではないということだ。体調が良くなったり、直観が優れたりするようになっても、目標は人格の向上であって、利他的な意識が伴わなければ、邪道に陥る恐れがあるからである。
 ESPカードが載っているのは、超心理学でよく用いられる実験だからだが、こういう物にはまる人間は、直感力をひけらかす傾向にあるので、あまり関わらない方がいいだろう。
 背骨の歪みを矯正する方法が、紹介されているが、背筋が曲がっていては、クンダリーニの上昇がうまくいかないからである。それ以前に、心身の健康につながるわけだが。
 瞑想の際には、結跏趺坐や半跏趺坐が求められるが、これもクンダリーニの上昇のために背筋がまっすぐしていなければならないからである。ただ、半跏趺坐でもなかなか難しい。椅子に座って背筋を伸ばし、足裏を合わせて気が足の間にも巡るようにするのが、次善の策なのかもしれない。
 チャクラの覚醒は、中国や日本で丹田と呼ばれるスワディスターナチャクラから始めればいいという。初めから活性化している場合が多いからである。眉間のアジナチャクラから覚醒すべきだという説を、本山氏は否定する。トランス状態になったり、精神異常を起こす恐れがあるからである。丹田の覚醒に関しては、気功などの方が簡単だと思われる。(つづく)


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