高知城は天守閣と本丸御殿、追手門(おうてもん)がそろって現存する唯一の城だという。廃藩置県による廃城の嵐を生き延びて、江戸時代の城郭の全体像を伝える唯一の城だ。藩主や家臣が出入りしたさまを、実物の建造物で想像できる城なのである。 高校生の時は天守閣の前まで行き、「アイスクリン」と書かれたアイスクリームを、買って食べることしかできなかった。今回は実際に本丸御殿を見て、天守閣まで上ることができた。高台にこれほどの高さでそびえる物は、当時は存在しなかった。この高みから市中を眺める..

 高知城は天守閣と本丸御殿、追手門(おうてもん)がそろって現存する唯一の城だという。廃藩置県による廃城の嵐を生き延びて、江戸時代の城郭の全体像を伝える唯一の城だ。藩主や家臣が出入りしたさまを、実物の建造物で想像できる城なのである。
 高校生の時は天守閣の前まで行き、「アイスクリン」と書かれたアイスクリームを、買って食べることしかできなかった。今回は実際に本丸御殿を見て、天守閣まで上ることができた。高台にこれほどの高さでそびえる物は、当時は存在しなかった。この高みから市中を眺めること自体、城主の権威を象徴していたのだろう。
 天守閣という名の由来は、キリスト教の神、天守を祀ったからだとも、仏教の守護神、毘沙門天を祀ったからだとも言われている。いずれにしても戦国時代に生まれた建築様式で、天から政(まつりごと)を任された領主が、天になりかわって治めるための建物だった。
 天守閣から下りて、鳩に豆をやっていたら、前日の雨でお腹をすかせた鳩、約百五十羽が、一斉にこちらに向かって下りてきた。豆を空に放り投げると、それに合わせて鳩も飛ぶ。肩や腕に留まって豆をねだる奴もいる。こうなると、まるでヒッチコックの「鳥」の世界だ。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
https://podcasts.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en


Twitter
https://twitter.com/lebleudeciel38


にほんブログ村


人気ブログランキングへ





ランキングはこちらをクリック!

amzn_assoc_ad_type ="responsive_search_widget"; amzn_assoc_tracking_id ="faucon-22"; amzn_assoc_marketplace ="amazon"; amzn_assoc_region ="JP"; amzn_assoc_placement =""; amzn_assoc_search_type = "search_widget";amzn_assoc_width ="auto"; amzn_assoc_height ="auto"; amzn_assoc_default_search_category =""; amzn_assoc_default_search_key ="";amzn_assoc_theme ="light"; amzn_assoc_bg_color ="FFFFFF";

Twitter Mentions