正月二日になると、正座して頭を畳に擦りつけるようにして、「昨年度はお世話になりました。本年度もよろしくお願いいたします」と挨拶した。僕はわけも分からず、頭を下げていただけだったが。 和室の敷居をまたいで、お膳がいくつも並べられた。年によっては二十人近くが集まった。おせち料理のほか、酒のつまみも並べられた。サラミソーセージをかじると、こんなうまい物があったんだなと思った。 夜の九時ぐらいになると、おいとましたが、挨拶は「じゃあ、また明日」だった。三日目は次女が嫁いだ横浜の家で..

 正月二日になると、正座して頭を畳に擦りつけるようにして、「昨年度はお世話になりました。本年度もよろしくお願いいたします」と挨拶した。僕はわけも分からず、頭を下げていただけだったが。
 和室の敷居をまたいで、お膳がいくつも並べられた。年によっては二十人近くが集まった。おせち料理のほか、酒のつまみも並べられた。サラミソーセージをかじると、こんなうまい物があったんだなと思った。
 夜の九時ぐらいになると、おいとましたが、挨拶は「じゃあ、また明日」だった。三日目は次女が嫁いだ横浜の家で、二日目と同じようにおせち料理を食べて宴会するのである。
 なぜかというと、次女の夫は従兄で、二人の祖父は同じ人だったのだ。子供の頃から親しかったからこそ、二日連続新年会をやっていたのだ。結びつきが強かったわけだが、酒を飲むのも好きだったのだろう。とにかく、髙野の一族は酒飲みが多かった。そして、よく悪酔いしていた。意識が遠くなるまで、ひたすら酒を飲み続けるのだ。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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