ジャズの演奏家は、若くして才能を開花させ、麻薬に手を出して身を持ち崩し、老いることなくこの世を去ることが多い。ウェイン・ショーターの場合、最高の思いを享受した後に、苦悩の時代が待っていた。 二番目の妻、アナ・マリアが産んだ女の子は、脳に疾患があり、一日に数十回も引き付けを起こした。にもかかわらず、ショーターはバンドのツアーがあるので、妻のそばにいられない。病気の娘を押しつけられて、妻は次第に精神を病んでいき、アルコール中毒になる。立ち直ろうとして仏教の世界に入る。 南無妙法..

 ジャズの演奏家は、若くして才能を開花させ、麻薬に手を出して身を持ち崩し、老いることなくこの世を去ることが多い。ウェイン・ショーターの場合、最高の思いを享受した後に、苦悩の時代が待っていた。
 二番目の妻、アナ・マリアが産んだ女の子は、脳に疾患があり、一日に数十回も引き付けを起こした。にもかかわらず、ショーターはバンドのツアーがあるので、妻のそばにいられない。病気の娘を押しつけられて、妻は次第に精神を病んでいき、アルコール中毒になる。立ち直ろうとして仏教の世界に入る。
 南無妙法蓮華経の御題目を唱えよというのは日蓮の教えだが、ショーターと妻が入ったのは創価学会だった。御題目を唱え続けることで、無心の境地に入り、救いを得られたのだろうが、信仰を得ることと現世利益はあまり関係がない。単なる幸運を有り難がるようでは底が浅い。信仰に入っているのに、ショーターには次から次へと不幸が襲いかかる。
 ジャズとロックの融合で、ショーターのバンドは人気を博すが、大音量による演奏のために、音と音の間にある空間を重んじたショーターは、自らの居場所を失いかける。その頃、妻に任せっきりだった娘は、薬物中毒に陥って命を落とす。試練を乗り越えて明るさを取り戻した妻も、飛行機墜落で事故死してしまう。
 最愛の妻を失っても、ショーターはくじけない。信仰があるので、死が終わりではないと信じているのだ。キリスト教の場合は、死んだら最後の審判までよみがえることはないが、仏教の場合は悟りを得ない限り、輪廻によって何度でも生を繰り返さなくてはならない。それは苦しみであるのだが、妻を失ったショーターにとっては希望でもあるのだ。不幸のどん底に落ちても、試練を乗り切れることが、信仰を持つことの強さなのだろう。

「ウェイン・ショーター 無重力の世界」はAmazon primeで視聴できる。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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