三門は久遠寺の入口に当たる。明治四十年(1907)に再建されたものだが、堂々とした姿は雄壮そのものである。杉の並木が続く先には、二八七段の菩提梯(ぼだいてい)が見える。その一段は普通の石段の倍近くある上に、恐ろしいほどの勾配なので、手すりにすがっても息が切れてしまう。 この段を上ることが、悟りに近づく難しさになぞらえられる。手すりにつかまったまま振り返ると、高層ビルの屋上から眺めているようで、眩暈がするほどである。 久遠寺の本堂は、明治八年(1875)に焼失し、昭和六十年(..

 三門は久遠寺の入口に当たる。明治四十年(1907)に再建されたものだが、堂々とした姿は雄壮そのものである。杉の並木が続く先には、二八七段の菩提梯(ぼだいてい)が見える。その一段は普通の石段の倍近くある上に、恐ろしいほどの勾配なので、手すりにすがっても息が切れてしまう。
 この段を上ることが、悟りに近づく難しさになぞらえられる。手すりにつかまったまま振り返ると、高層ビルの屋上から眺めているようで、眩暈がするほどである。
 久遠寺の本堂は、明治八年(1875)に焼失し、昭和六十年(1985)に再建された。日蓮聖人真筆の十界大曼荼羅を、金色の木像で表現したもの。中央に南無妙法蓮華経のお題目。その下に日蓮聖人の木像。お題目の左右には、釈迦如来や普賢、弥勒、文殊などの菩薩、愛染明王、不動明王など密教の忿怒尊、梵天や鬼子母神などの天部の神々、神道の神である天照大神も祀っているところが、日蓮聖人の意匠である。天井画の「墨龍」は加山又造画伯の手になるもので、総坪数九七〇坪に及ぶ。(つづく)


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