ヘミシンクの《Surf（波）》

　日常に疲れてしまったり、自分を見失ったときに、無心になりたいと思っても、なかなかなれるものではない。音楽を聴くのも煩わしかったり、言葉による誘導瞑想も受け容れられない場合、禅のように心を空しくしようにも、雑念ばかり浮かぶだろうし、マントラを唱えるみたいなことも、やる気にならないかもしれない。　そんな場合にオススメなのは、ヘミシンクの《Surf（波）》である。大波の音とカモメの鳴き声、それに脳波を静寂へ導くヘミシンクの信号しか入っていない。　荒れ狂う波濤を前にして瞑想する哲人..

　日常に疲れてしまったり、自分を見失ったときに、無心になりたいと思っても、なかなかなれるものではない。音楽を聴くのも煩わしかったり、言葉による誘導瞑想も受け容れられない場合、禅のように心を空しくしようにも、雑念ばかり浮かぶだろうし、マントラを唱えるみたいなことも、やる気にならないかもしれない。
　そんな場合にオススメなのは、ヘミシンクの《Surf（波）》である。大波の音とカモメの鳴き声、それに脳波を静寂へ導くヘミシンクの信号しか入っていない。
　荒れ狂う波濤を前にして瞑想する哲人、もしくはヨーガ行者、ヒッピーにでもなったようにイメージすればいい。波の音とカモメの声に耳を傾けていれば、雑念は生じてこない。自然の持つ大いなる力に、身を任せる感じでいればいい。
　これを聴いている間に、何か閃くことはあっても、作業しながらには向かない。想像力を刺激するような音声ではない。魂をひたすら無心に導くのだから。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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