オーストリア生まれのドイツの思想家で、人智学運動の創始者。シュタイナーの顔を見て思うことは、思想家といっても、哲学者の顔ではないということだ。幻視家の目をしている。他人には見えないものを見ているようだ。 光と闇の対立はよく言われることだが、シュタイナーにとって、闇は光が現れる以前の存在である。『旧約聖書』の「創世紀」に、神は「光あれ」と言ったという記述がある。光が現れたから、それを見る目ができたのであり、目があったから光に気づいたというのではない。 シュタイナーは自身が霊視..

 オーストリア生まれのドイツの思想家で、人智学運動の創始者。シュタイナーの顔を見て思うことは、思想家といっても、哲学者の顔ではないということだ。幻視家の目をしている。他人には見えないものを見ているようだ。
 光と闇の対立はよく言われることだが、シュタイナーにとって、闇は光が現れる以前の存在である。『旧約聖書』の「創世紀」に、神は「光あれ」と言ったという記述がある。光が現れたから、それを見る目ができたのであり、目があったから光に気づいたというのではない。
 シュタイナーは自身が霊視した宇宙の歴史を語る。土星紀には世界は熱状態にあったという。時間が始まり、人格の霊が出現し、肉体の萌芽が現れた。渾然一体だった土星期に、すでに霊としての人間が現れていたというから驚きである。
 次が太陽紀である。太陽紀になって空間が生まれ、人間にエーテル体の萌芽が現れた。この段階では、人間は植物状態だった。エーテル体というのは、睡眠時も肉体とともにあるエネルギー体のことである。人間が死ぬときは、エーテル体も肉体から離れる。
 月紀になると、人間にアストラル体の萌芽が現れる。アストラル体の獲得により、人間は霊的世界へのアクセスが可能になった。眠っている間に、自我とともにアストラル体は肉体から離れるが、エーテル体は肉体とともにとどまっている。当時の人間は自我というものを持っておらず、集団への帰属意識しかなかったという。 月紀が進化すると、月は今日の太陽と、地球の前身である天体に分かれた。この時期は地球は月と一体の天体だった
 地球紀になると、太陽は地球と月が一体となった天体を再び取り込んだ後、地球を分離する。地球はさらに月を分離した。人間に自我が与えられる。それ以前の人間は、眠っている間に霊的な世界にアクセスできたが、自我を持ち、物質的な世界を知覚するようになると、眠っている間も霊的世界にアクセスすることができなくなった。
 未来には「木星紀」「金星紀」「ウルカヌス紀」が訪れるという。いずれも人間が霊的存在に進化していく過程を表す。一度は失った霊的世界へのアクセスを、自我を獲得した後に自我を保持しつつ、達成していくのだという。そうした進化を拒む人たちは、動物状態に退化してしまう。輪廻転生を認めた上で、霊的進化を目指さないと、動物になってしまうとする点で、シュタイナーにはインド思想の影響が見られる。
 また、善なる者と悪の存在が戦う黙示録の世界も、霊的進化を目指す者と、動物状態に陥り、私利私欲にまみれて黒魔術を行う者の戦いとしてとらえ、「ヨハネの黙示録」に人間進化という観点から解釈を加えている。

 参考文献
ルドルフ・シュタイナー『創世紀の秘密』(西川隆範訳 白馬書房)
ルドルフ・シュタイナー『黙示録の秘密』(西川隆範訳 水声社)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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