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 桂浜を見下ろす高台の上に、遠い沖を眺める坂本龍馬の銅像がある。ちょうど背中の方から光が当たっているので、龍馬の顔をしっかり見つめることができない。幕末の時代劇は龍馬抜きにして語れないほど、人気者となっているのだ。 それは司馬遼太郎の小説の影響である。明治維新のために尽力し、時代が急変する前に暗殺された悲劇の志士という印象が強い。ただ、近年は歴史の教科書から姿を消すのでは、と言われている。大政奉還にしても、後藤象二郎が前藩主の山内容堂に進言し、実現したものである。 実際は武器..

 桂浜を見下ろす高台の上に、遠い沖を眺める坂本龍馬の銅像がある。ちょうど背中の方から光が当たっているので、龍馬の顔をしっかり見つめることができない。幕末の時代劇は龍馬抜きにして語れないほど、人気者となっているのだ。
 それは司馬遼太郎の小説の影響である。明治維新のために尽力し、時代が急変する前に暗殺された悲劇の志士という印象が強い。ただ、近年は歴史の教科書から姿を消すのでは、と言われている。大政奉還にしても、後藤象二郎が前藩主の山内容堂に進言し、実現したものである。
 実際は武器商人グラバーに利用され、伏見奉行所の役人を射殺してお尋ね者となり、最後は幕臣の京都見廻組に斬殺された。明治維新が結果的には、薩長を利用したイギリスによる日本の属国化であっても、悲痛な思いで日本を守ろうとした土佐の武士の魂は、貶めることができないだろう。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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