女優のA子は見世物小屋に引き出されていた。おどろおどろしい鳴り物とともに、自分の首が蛇のように伸び出して、観客席の上を漂っていった。スマホで撮られた画面を覗くと、細長い舌を口から出して、品定めをしていた。「キャー」 叫び声とともに、A子はベッドから飛び起きた。洗面所の鏡に駆け寄ると、首がまだ短いことにほっとした。ところが、目の下に細長いあざが出来ていた。初めはしみのようだったが、日増しに目の縁が赤紫に変わって、化粧ではごまかせなくなっていった。 ある日、プロダクションの社長..

 女優のA子は見世物小屋に引き出されていた。おどろおどろしい鳴り物とともに、自分の首が蛇のように伸び出して、観客席の上を漂っていった。スマホで撮られた画面を覗くと、細長い舌を口から出して、品定めをしていた。
「キャー」
 叫び声とともに、A子はベッドから飛び起きた。洗面所の鏡に駆け寄ると、首がまだ短いことにほっとした。ところが、目の下に細長いあざが出来ていた。初めはしみのようだったが、日増しに目の縁が赤紫に変わって、化粧ではごまかせなくなっていった。
 ある日、プロダクションの社長から、ゴムのマスクをかぶるように言われた。装着してみると、以前の美しさを取り戻したが、首が伸びていることに気がついた。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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