頭を打った男が不眠症になる。枕を替えても、酒を飲んでも眠れず、数ヶ月不眠症が続いている。医師の診断を受けると、眠れないのなら、その時間を有効に活かせばいいと言われる。そこで、男は二十四時間働くようになる。 ところが、恋人とホテルに行って、相手が眠っても自分は起きている。言いようのない寂しさに襲われ、ふたたび医師のもとを訪ね、どうにかして眠らせてほしいと言う。非常に高価な薬を注射してもらったのに、眠ることができないと不満を述べる。 すると、医師は「あなたはずっと眠り続けて、今..

 頭を打った男が不眠症になる。枕を替えても、酒を飲んでも眠れず、数ヶ月不眠症が続いている。医師の診断を受けると、眠れないのなら、その時間を有効に活かせばいいと言われる。そこで、男は二十四時間働くようになる。
 ところが、恋人とホテルに行って、相手が眠っても自分は起きている。言いようのない寂しさに襲われ、ふたたび医師のもとを訪ね、どうにかして眠らせてほしいと言う。非常に高価な薬を注射してもらったのに、眠ることができないと不満を述べる。
 すると、医師は「あなたはずっと眠り続けて、今ようやく目が覚めた」と答える。膨大な治療費を要求されて、男はパニックに陥る。普通のひねりだったら、そこで終わるわけだが、作者はもう一つひねりを入れる。目覚まし時計が鳴って、本当に目が覚める。今までのすべてが夢だったことが分かる。
 星新一の短編はブラックユーモアが多く、「ボッコちゃん」でも「生活維持省」でも死が関わってくる。眠れない男が眠りを求めて、永遠の眠りにつくのかと予想したが、見事に外されてにやりとしてしまった。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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