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 父に日記を書けと言われたのは、中学二年の冬のことだった。それからは多少怠けたことはあるが、天命を知るはずの年が過ぎた今でも、曲がりなりに書き続けている。父方、母方の祖父には会ったことがなく、僕の年には二人とも鬼籍に入っていた。だから、もう余生を送っているようなものだ。 自分も高校生だったんだなと思うと、不思議な気がする。そんな昔のことを振り返ってどうすると言われそうだ。ただ、日記が残っているから、何があったかたどることはできる。たわいもないことしか書いてないだろうが。 三十..

 父に日記を書けと言われたのは、中学二年の冬のことだった。それからは多少怠けたことはあるが、天命を知るはずの年が過ぎた今でも、曲がりなりに書き続けている。父方、母方の祖父には会ったことがなく、僕の年には二人とも鬼籍に入っていた。だから、もう余生を送っているようなものだ。
 自分も高校生だったんだなと思うと、不思議な気がする。そんな昔のことを振り返ってどうすると言われそうだ。ただ、日記が残っているから、何があったかたどることはできる。たわいもないことしか書いてないだろうが。
 三十代の頃に四国に行った記録を書き終えた。そこで、初めて四国に渡った修学旅行についても、書いてみようと思ったのだ。とはいえ、子供の頃の記録だから、事実を羅列してあるだけ、感情を書き殴っているだけで、そのまま書き写すに堪えない。日記を読み返しながら、僕が十六歳、高校二年の修学旅行で感じ取ったことを、今の自分の言葉で書き綴ってみたい。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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