古文書を読むには、古語と古典文法を知らなければならないが、それは活字化された古文書であって、それだけでは、手書きの古文書は手に負えない。 最大の難関は、変体仮名である。明治中期に使用する仮名文字が制限される以前は、漢字の草書体が自由に、仮名文字として使われてきた。「江」(え)や「志」(し)など、元の漢字の字体に近い物や、現在の仮名文字に近い物は察しが付くが、「あ」と読む変体仮名には、元の漢字が「安」「阿」「亞」「惡」など複数あり、しかも書写した者によって崩し方にばらつきがあ..

 古文書を読むには、古語と古典文法を知らなければならないが、それは活字化された古文書であって、それだけでは、手書きの古文書は手に負えない。
 最大の難関は、変体仮名である。明治中期に使用する仮名文字が制限される以前は、漢字の草書体が自由に、仮名文字として使われてきた。「江」(え)や「志」(し)など、元の漢字の字体に近い物や、現在の仮名文字に近い物は察しが付くが、「あ」と読む変体仮名には、元の漢字が「安」「阿」「亞」「惡」など複数あり、しかも書写した者によって崩し方にばらつきがあるので、頭になかなか収まらないのである。
 本書はひらがなの元になった漢字を、五十音順に並べ、それぞれの漢字の崩し方も示している。変体仮名は毛筆で書写したために、崩し方の差が大きいので、変体仮名の活字を一つ覚えただけでは歯が立たないのである。とにかく、大量の例を目にするのが第一歩だろう。
 まだ学習の途中ではあるが、巻末に掲載された手書きの例文を、いくらかでも読めるようになった。使い勝手の良さでは類書の中で群を抜いている。
 なお、一つ気になったのは、元の漢字を新字体に統一したことである。「亜」や「悪」ではなく、旧字体の「亞」や「惡」でなければ、どうしてそのような変体仮名になったのか、理解しにくいのではないか。


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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