松本駅に到着した。篠ノ井線は塩尻まで通じているが、松本からはスイッチバックして大糸線に入る。おじいさんが「大糸線にようこそ」というパンフレットを配っていった。発車してしばらくすると、車内で民話を話したり、民謡を歌ってくれたりした。 安曇野に伝わる常念坊というのは、次のような伝説である。小さい徳利に二升もの酒を入れてもらった坊さんが、山の中に消えてしまったことから、八面大王の重臣常念坊に違いないと村人は考えた。その名を冠する常念岳には、徳利下げた常念坊の雪形が現れるのだという..

 松本駅に到着した。篠ノ井線は塩尻まで通じているが、松本からはスイッチバックして大糸線に入る。おじいさんが「大糸線にようこそ」というパンフレットを配っていった。発車してしばらくすると、車内で民話を話したり、民謡を歌ってくれたりした。
 安曇野に伝わる常念坊というのは、次のような伝説である。小さい徳利に二升もの酒を入れてもらった坊さんが、山の中に消えてしまったことから、八面大王の重臣常念坊に違いないと村人は考えた。その名を冠する常念岳には、徳利下げた常念坊の雪形が現れるのだという。
 穂高駅でも十五分停車した。穂高神社に参詣を希望する人は、巫女さんに誘導されて御参りすることになった。友人と僕も行くことにした。所要時間は五分である。穂高神社は穂高見命(ほたかみのみこと)、綿津見命(わたつみのみこと)、瓊瓊杵命(ににぎのみこと)を祭神とする。二十年に一回遷宮を行ってきたので、新しい柱の木目も美しい。五百年は経つという神木の杉には、注連縄が張られていた。本殿や神木、鳥居などの写真を撮って、車両に戻っていった。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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