坂出からバスに乗って、高屋(たかや)神社に向かった。保元の乱で讃岐に流された崇徳上皇ゆかりの地を訪ねるためである。この神社は崇徳上皇をお祀りしている。境内には「御棺台石」がある。崩御した上皇の棺(ひつぎ)を六角の石に置くと、血がしたたったと言われる。 傍らには身をかがめたような、奇妙な曲がり方をした巨木が立ち、木洩れ日すらない薄暗さである。中央の棺が置かれた石は苔むしている。セミの声が響き渡り、快い風が吹き渡ってくる。彼方には瀬戸大橋のアーチも見える。 高屋神社から急坂を上..

 坂出からバスに乗って、高屋(たかや)神社に向かった。保元の乱で讃岐に流された崇徳上皇ゆかりの地を訪ねるためである。この神社は崇徳上皇をお祀りしている。境内には「御棺台石」がある。崩御した上皇の棺(ひつぎ)を六角の石に置くと、血がしたたったと言われる。
 傍らには身をかがめたような、奇妙な曲がり方をした巨木が立ち、木洩れ日すらない薄暗さである。中央の棺が置かれた石は苔むしている。セミの声が響き渡り、快い風が吹き渡ってくる。彼方には瀬戸大橋のアーチも見える。
 高屋神社から急坂を上っていくと、遠くに瀬戸の島々が見えてくる。上皇が眺められた風景なのだろうか。彼方には本州がある。京の都はそのはるか先。許されて帰京することがかなわず、せめて写経だけでも届けようとしたが、呪詛の恐れありと讒言(ざんげん)されて、ついに上皇は魔王となる決意をされたという。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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