三浦半島で異臭騒ぎ

　神奈川県の三浦市、横須賀市では、シンナーやニンニク、ゴムが焼けるような異臭が海から押し寄せ、救急車で搬送された人も出ているという。騒ぎは横浜市南部にまで広がっており、さまざまな憶測を呼んでいる。タンカーがガス抜きを行ったわけでもなく、原因は不明のままとなっている。
　発生源が人為的なものでないとすると、地殻変動が関わっている可能性がある。関東地方では地震活動が活発化しており、緊急地震速報で驚かされることも多くなっている。東京湾で群発地震が発生したり、ユーラシアプレートと北米プレート、フィリピン海プレートの三合点付近で中型地震が起きたりしている。
　地殻変動が始まっているからといって、必ずしも大地震が差し迫っているとは限らないが、相模灘から房総沖にかけては、関東大震災の時にも割れ残った岩盤があり、1703年の元禄地震以来、三百年以上のひずみがたまっている。そのひずみが解消された場合、マグニチュード８以上の大地震が、関東南部を襲うことになる。
　元禄地震の４年後の1707年には、南海トラフ巨大地震にあたる宝永地震が発生している。その一ヶ月半後には、富士山の宝永大噴火が起こっている。元禄地震はパンドラの箱を開いてしまったわけで、今回の異臭騒ぎが単なる騒動で終わることを祈るばかりである。

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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