少年には南北戦争の記憶があった。戦場での思い出を凄惨な絵で描いていた。当時の軍服を選び出して身に着け、銃を胸に抱えて持つ姿は軍人そのものだった。前世の名前や死んだ時の状況まで覚えていた。 両親が息子を戦死したという場所に連れていくと、少年はパニックに陥った。イメージがありありと蘇ってきたからだった。近くの教会には、知っていた人の墓地まであった。ただ、前世での死と向かい合うことは、前世に囚われた自身と決別する意味もあった。青年となった彼は、再びその地を訪れることで、現世の自分..

 少年には南北戦争の記憶があった。戦場での思い出を凄惨な絵で描いていた。当時の軍服を選び出して身に着け、銃を胸に抱えて持つ姿は軍人そのものだった。前世の名前や死んだ時の状況まで覚えていた。
 両親が息子を戦死したという場所に連れていくと、少年はパニックに陥った。イメージがありありと蘇ってきたからだった。近くの教会には、知っていた人の墓地まであった。ただ、前世での死と向かい合うことは、前世に囚われた自身と決別する意味もあった。青年となった彼は、再びその地を訪れることで、現世の自分を生きることにした。
 体外離脱の体験を語る少女は、亡くなった祖母に手紙を書いたり、話をしたりしていた。これは単なる想像力によるものではなかった。少女は古代の文字を書いて、英語で説明しはじめた。少女が前世に暮らしたという島の地図や、島を襲った大地震のありさまは、実際に体験した者でなければ分からないほど、詳細に及んでいた。母親がネットで検索すると、娘が語ったことが史実であることがわかった。これは異民族に転生することもあるという実例だろう。
 後日、少女は同じように前世の記憶を持つ子供たちと出会う。人に話しても信じてもらえない体験を、そこで語り合うことで、少女は自分自身を肯定することができた。(つづく)


「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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