すべてに通じるのは「愛」である

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　人間だけではない。言葉を持たない動物にも伝わるものがある。それは「愛」である。「愛」は個人の枠を超えた、すべての生物が持つ感情である。ただ、次元が低い場合には、家族や親しい者にしか及ばないが。
　相手に対して激昂したり、傷つくような言葉を言うのは、「愛」を忘れているからである。忘れているだけであって、心の中の「愛」を思い出せばいいのだ。「愛」を忘れているからこそ孤独を感じて、無分別な言動に走ってしまうのである。
　仏教では「縁起」という言葉で、すべての現象が、原因と条件が相互に関係し合って成立していることを表す。マイナスの言動は、さらなるマイナスの原因と条件を生み出してしまう。プラスの言動を続けていけば、悪循環を断ち切り、プラスの影響を周囲に広げていけるのである。普遍的な「愛」という感情を持つことで、周囲に笑顔が広がり、人々の生活は明るくなる。「愛」とは個人の枠を超えた、大きな力を持っているのだ。

「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
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