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三島スカイウォークの吊橋(5)
「青空文庫」の作家、高野敦志の世界
Japanese - May 25, 2022 17:37Books Arts Society & Culture 日本文学 コンピューター ジャズ 電子本 電子書籍 文学賞 青空文庫 epub pdf 高野敦志 Homepage Download Apple Podcasts Google Podcasts Overcast Castro Pocket Casts RSS feed
笠雲が取れるのを待っていたが、ますます雲に覆われていく。もう富士山がどこにあるのか、分からないほどになった。そこで、帰る前に箱根峠に寄ることにした。 バスに乗って十分ほどで、箱根峠に着いた。神奈川県との県境を越えたわけだ。バスは元箱根に向かっていく。ここからは、枯れ枝の向こうに芦ノ湖の青い水面、駒ヶ岳山頂のロープウェイ駅が見える。 ちょっと懐かしかった。二年前、新型コロナウイルスの流行が始まった頃、外国人観光客がいなくなったというので、日本人客が箱根に押し寄せたことがあった..
笠雲が取れるのを待っていたが、ますます雲に覆われていく。もう富士山がどこにあるのか、分からないほどになった。そこで、帰る前に箱根峠に寄ることにした。
バスに乗って十分ほどで、箱根峠に着いた。神奈川県との県境を越えたわけだ。バスは元箱根に向かっていく。ここからは、枯れ枝の向こうに芦ノ湖の青い水面、駒ヶ岳山頂のロープウェイ駅が見える。
ちょっと懐かしかった。二年前、新型コロナウイルスの流行が始まった頃、外国人観光客がいなくなったというので、日本人客が箱根に押し寄せたことがあった。あのときは、駒ヶ岳の山頂から、雪をいただいた、余りにも雄大な富士山の景色に、圧倒されてしまったものだ。
「あそこにみやげ物屋がありそうだ」
友人の声に我に返った。元来た道を戻る形で、静岡県側に歩き出した。そこは大きな駐車場が残っていたものの、かつてあったみやげ物屋と食堂が廃墟となっていた。パンデミックのせいで、観光客が途絶えたからか。それ以前からさびれていたのか。
「本当に何にもないんだなあ」
友人がつぶやいた。少ししてバスが戻ってきた。さっき乗っていた車の運転手だった。
「この短い時間に何をしていたんですか」と聞かれた。
「芦ノ湖と駒ヶ岳は見えたんですが。今は何にもないんですね」
「昔はあったんですが、潰れちゃってね」と運転手は答えた。(つづく)
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